
ながく変化が速い人生となり、ひとつの会社ですごしきるキャリアは、ますます難しくなりました。またキャリアは、働く=報酬を得ることだけでなく、ウェルビーイングとともに考える方が増えてきています。
「well-being(ウェルビーイング)」とは、直訳すると「幸福」「健康」という意味があります。ウェルビーイングの定義においてよく引用されるのが、世界保健機関(WHO)憲章の前文の一節です。
“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会仮訳)“
つまりウェルビーイングとは、幸福や健康という意味のほか、身体だけでなく、精神的、社会的にも満たされている広い意味の幸福を指す概念です。
最も重要なキャリアウェルビーイング
ウェルビーイングとひとことで表されますが、5つの要素があると言われています。
1.キャリアウェルビーイング
2.ソーシャルウェルビーイング
3.フィナンシャルウェルビーイング
4.フィジカルウェルビーイング
5. コミュニティーウェルビーイング
(各ウェルビーイングの説明はこちら)
そのなかでも、最も重要なのが、キャリアウェルビーイングと言われています。このキャリアには、いわゆる仕事だけでなく、ボランティア活動や、勉強、子育てなどが含まれています。
『キャリア』が最も重要な理由は、わたしたちは人生の、起きて活動している多くの時間をキャリアのために費やしているからです。
なぜ、いま、ウェルビーイング?
ウェルビーイングが今注目されている理由として、すべての人々の幸福の上に経済や将来が成り立っているという考え方が広がってきていることが挙げられます。
1950年代から、わたしたちは、アメリカの経済学者のミルトン・フリードマンらが提唱した新自由主義にもとづく、株主至上の資本主義経済(=競争)をひたすらに推し進めてきました。
そうしたなかで、わたしたちのキャリアは、もっぱら、企業などが組織的かつ効率的に資本主義経済を推進して株主のために利潤を生むことへの『労働力の提供』であり、そうすることで、雇用と報酬の安定を手にして来たのです。むかしは『24時間働けますか?(=働けます)』というCMのキャッチコピーが、標準的なこととして、受け入れられていました。

ただ、このような、ひたすらの『労働力の提供』は、時代とともに転換期を迎えています。詳しくは別の投稿(こちら:労働提供の変化)にかきますが、ひとことで言えば、労働契約で結ばれてきた会社(雇用者・需要)とわたしたち(被雇用者・供給)の双方にとって、効率的である意味単純な『労働力』の授受がWIN-WIN関係ではなくなってしまったのです。
わたしたちの人生において、働いていく期間が長くなりました。現在の再雇用ルールでは65歳まで、さらに、これからの人生100年時代を考えれば、75歳までは何らかのキャリアを歩んでいくと考えて間違いありません。
つまり、キャリアはすこし昔の定年60歳の頃の40年間から55年間に一気に15年も延びたのです。ひとつの会社の寿命は平均30年ですが、いまの変化の速い経済競争においては、これからはより短くなっていきますので、ひとつの会社で働き続けるのはより難しくなる、仮に居続けることができたとして、活躍し続けることは至難の業となるのです。

そうした環境におかれたわたしたちは、おのずと『働くってなんだろう』とか『この会社でただ働き続けていいのか』と自問をするようになり、より多くの人が、せっかく働くのであれば『楽しく働きたい』『自分らしく働きたい』『幸せに生きるために働きたい』と思うようになってきたのです。
おそらく、いまこのページをご覧になっているあなたは、アンテナも高く、同じように考えていらっしゃるのではないでしょうか。そうしたわたしたちの変化した思いを表現する言葉こそが、『ウェルビーイング』であり、わたしたちがキャリアを築いていく上ので、大きな基準・ものさしとなったと言えるでしょう。
じぶんトランスフォーメーション
わたしたちひとり一人が、キャリアウェルビーイングを高めるためには、いままで当たり前と思ってきた『働き方』『貢献』『パフォーマンス』を見直して、変えていく、じぶんトランスフォーメーション(JX)が必要なのではないでしょうか。
オンナース.onlineでは、キャリアウェルビーイングに役立つコンテンツをストックするとともに、キャリアウェルビーイングを実現するための就職・転職活動支援サービスや、キャリアコンサルティング、コーチングなどのプログラムをご提供していく予定です(近い将来にむけて、一生懸命準備中です)。